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日本人は、自分の事が分かっていない。 [日本人論]

地理的には、周りが海で囲まれ、
歴史上200年以上の鎖国も経験した、
ほぼ単一民族国家の日本人は、
一部の長期海外滞在者
もしくは何度も海外を経験しているひとを除いて、
自分の事があまり分かっていないように思われる。
極端に言えば、広い世界の事が分かっていない。
自分が普通だと思うことが、
他国でも普遍的に普通だと思っている節がある。
世界の多様性には気付いていないのだ。

多分多くの日本人には、
その生活基盤を日本国内に置く限りにおいては、
世界の多様な事情を細かく知る必要性もないのだろう。
国内のTVや新聞などのマスコミを通して伝えられる、
国内でニュース扱いされる事柄を日本語版で知るだけでも十分なのだろう。
毎日の日本国内での実生活にも直接に関係する、
例えば原油価格の高騰などのニュースを除けば、
他国で何があろうとも、あまり関心を示さない。
全く気にならない、平和そのもの。

人種のるつぼと言われる多人種多言語国家のアメリカでは、
欧州系は、英語を話すアングロサクソンを始め、
芸能界や暗黒の世界で幅広く活躍するイタリア系、
社会的に絶大な影響力を持つユダヤ系、
その他ギリシャ系、ロシア系、アイルランド系等々と、
アジアからは中国系、韓国系、日系など、
それにカリブ海などからのスペイン語系のヒスパニック、
それと、奴隷時代からのアフリカ系と、
もともと土着のアメリカインディアン等々、
実にその人種の多様性に驚かされる。

だから、お互いにまったく違っていることが普通で珍しくない。
同じ国籍であっても、言葉が通じるとは限らないし、
お互いに何を考えているのかわからない。
日本では、一部の例外を除けば、ほとんどが日本人。
日本人一色なのだ。 
だから、話せばお互いにそれなりに理解し合える。
よっぽどの方言でなければ、
少なくとも相手が何を言っているのか理解できる。
そういう意味では、ストレスの少ない国なのだろう。

例えば、自由、平等、友愛を標榜するフランスでも、
昔の植民地時代の非宗主国、例えばマグレブの国のアルジェリア、
モロッコ、チュニジア、それと西アフリカのいろんな国々、
インドシナではベトナムやカンボジアなどからの移民なども
少なくないようで、一説には、パリの住民の半分は、
そうした移民もしくはその子孫が占めているとか。
国民の構成も、実に多種多様なのだ。

欧州最大の移民受け入れ国であるドイツでは、
トルコ、旧ユーゴ、イタリア、ギリシャ、スペインなどからの
移民が多いようである。 つまり、ドイツでも、
アメリカやフランスの例のように、
社会を構成するのは多様な民族であり、
日本のように単一民族ではない。
日本は、むしろ難民や移民受け入れを極力抑えてきた。

近隣のシンガポールでもマレーシアでもタイでも、
それぞれの国を構成するのは複数の民族。
オーストラリアでもニュージーランドでも然り。

インドの場合などは、言語が多く、かの地のお札には、
複数の言語で印刷されているとか。

どの主要国の社会でも、日本のような例外は他にほとんどないだろう。
国際社会の中で他国から関心を向けられる国々の中では、
日本はまったくの例外のようだ。 でも、日本人の意識の中には、
自分たちがそのように例外的であるという意識はない。
なかなか他国からの視点で自分自身を客観的に見るという事は少ない。
だから、自分発の視点でしか、自分自身の事が分からない。

社会不安の増加で、最近でこそ日本国内での治安の良さに、
多少陰りが見え始めているとは言え、多くの他国との比較では、
依然日本の安全はトップクラスなのだろう。
自分の保身のために拳銃を身に付けている必要がない。
夜中一人で歩いても、そんなに危険だという所は少ない。
安全は只だと勘違いさせる節がある。
だから安全に大きなコストを払おうとしない。

只といえば、降水量の多い水資源の豊かな日本では、水も只同然だ。
市販のミネラル水は他国と同様高い値段で売られているが、
水道水は安いように思われる。
砂漠の国や降水量の少ない国と比較すると、
日本は水資源に恵まれている。
それを、当たり前のように思っている。

実際どっぷりと日本人の生活に浸って、
あえて異国の事情に好奇心を働かさねば、
本当によその、自分らとは違う事情は分からない。
だから、客観的に見た、相対的な自分の姿は分かっていない。



タグ:同質と異質
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