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9.22 (Plaza Accord) [blog]

9.11 (September Eleventh)とは、
誰もが知る2001年9月11日のアメリカでの同時多発テロ。 
飛行機を使ったNY世界貿易センターの双子のビルへの
突入を始め、ペンタゴンなどへの4つのテロ事件が起きた。

それでは、9.22とは何か?

それは、1985年9月22日のPlaza Accord。 
日本語では「プラザ合意」と言われている。
G5の蔵相・中央銀行総裁によるある意味では
「歴史的な」会議。 

当時のベーカー米財務長官の呼びかけで行われたとのこと。 
その目的は「ドル安・円高・マルク高」へ
人為的に誘導する為の「協調介入」が合意され、
米国の輸出競争力を高め、
米国の貿易赤字を減らす事にあった。

1980年代前半のレーガン政権下、
前政権から引き継いだ「高インフレ」を抑制する為に、
厳しい金融引き締めが実施されていた。 

金利は2桁に達し、
世界中のマネーがその高い金利のアメリカへ集中。 
ドル相場は高めで推移。 その結果、アメリカの輸出は減少し、
輸入は拡大。「貿易赤字」に陥った。 
又、高い金利の為に、民間の投資は抑制され、
需給バランスが改善され、インフレから脱却に成功。 
しかし、その反面、「財政赤字」も累積していった。

当時、その「貿易赤字」と「財政赤字」という
「双子の赤字」を抱えていた。

インフレが沈静した後、金融緩和が進み、
景気回復で、貿易赤字に拍車がかかり、
金利低下により、貿易赤字国のドル通貨に魅力が薄れ、
ドル相場は次第に不安定化した。

ドル危機の再発を恐れた先進国は、
協調的なドル安を図ることで同意。 
中でもとりわけアメリカの対日赤字が顕著であった為に、
実質的には「円高・ドル安」に誘導する事になった。

その「協調介入」の発表の1年後には
ドルの価値はほぼ半減し150円台での取引になった。

日本では、急速な円高により、円高不況が懸念され、
低金利政策を継続。
その低金利政策が、不動産や株式に対する投機を促進し、
やがてバブル景気をもたらす。 
又、円高により、日本経済の規模は、相対的に急拡大。 
米国資産の買い漁りや、海外旅行のブーム、
賃金の安い国へ工場移転、東南アジアへ直接投資が急増。

1987年2月22日には再度、
G7による協調介入の為の「ルーブル合意」但し効果なし。
「プラザ合意」は、日本に、
「バブル景気」と「その後の失われた10年」をもたらした。

協調介入によって、人為的に円高に誘導した結果、
輸出産業は相対的に競争力を失う事に繋がった。 
日本にとって不利になるこの合意が為された背景には、
以前からあった日米貿易摩擦もあった。 

現実は、双子の赤字に苦しんでいたアメリカからの
圧力に押し切られたことになる。 

当時の日本の担当者は、総理が中曽根康弘、
大蔵大臣が竹下登、日銀総裁は澄田智。 
彼等によって決断されたこの政策は、
日本がアメリカの赤字解消を容認したという事になる。 

アメリカの赤字是正の為に、プラザ合意という形で、
主要先進国が「通貨を介して犠牲になった」歴史的な合意。 
換言すれば、日本が欧米に上手く「はめられた」記念日。 
それが、1985年9月22日。

日本は多大な犠牲を強いられたけれど、
結果的には、アメリカは「何も変わらなかった」。
アメリカが輸出を伸ばし、赤字を是正する筈が、
借金して消費や投資をするモデルを編み出してからは、
更に酷くなっていった。 

日本では、プラザ合意の直前の1ドル241円が
なんと79円まで円高になった。 

急激な円高に寄る、輸出産業に対する
過大な副作用を緩和する為の、
長期に渡る超低金利政策が、
通貨の供給量を異常に膨らませ、
日本に株と土地の暴騰という「バブル経済」をもたらせ、
大手銀行の過剰融資と大企業の乱脈経営は、
日本の金融引き締めのタイミングを逸したことも相まって、
その後のバブル崩壊後に、
地価の暴落と不良債権の途方もなり累積に繋がり、
日本経済の重しとなる。

プラザ合意の翌年に蔵相となった宮沢喜一の回顧録には、
「不良債権の問題を辿っていくと、どうしても、
きっとプラザ合意のところに行くのだろうと思います」とある。

ホイスラー独連銀理事によると、
同様にアメリカから圧力を受けたドイツ連銀は、
そのアメリカからの金利引下げ圧力に持ちこたえたが、
日本は愛想良く受けたと表現されている。 
話によると、
「円高の提案」の主は中曽根首相だったとも言われているし、
プラザ合意の当事者であったボルカー元FRB議長の言葉に
寄れば、会合で彼が最も驚いた事は、
竹下大蔵大臣が、円の10%以上の上昇を許容すると
「自発的に申し出た」とのこと。

それこそ、場当たり的な、
日本の将来とその国益をよく考えない、お粗末な言動。

それこそアメリカに尻尾を振る「ポチ」そのものの姿ではないか。 
自国の国益を優先しない交渉は、外交交渉とは呼ばない。 

日本の「和を尊ぶ」精神は、国際的な外交の場では、
百害あって一利なし。 
そんなことも分からない人物を日本のリーダーにした、
日本国民総体にも非があることは否めないが。   







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